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歯周病の原因は? Q&A

歯周病と全身病について

Q.歯周病の原因はプラークと聞きましたが、プラークって何でしょうか?

A. プラークとは、歯に付着している白、または黄白色の粘着性の沈着物で、
非常に多くの細菌とその産生物から構成されています。

またプラークはバイオフィルムとも呼ばれていて強固に歯に付着してるだけでなく、
薬品だけでは除去しにくい状態になっています。
そのためにしっかりと歯ブラシ等で除去することが大切になります。

Q.全身の病気と歯周病の関係について教えてください。

A. 歯肉は体の中でも非常に敏感な組織です。
またお口の中は全身の中でも微生物、細菌などが最も多く存在している場所でもあります。
そしてあらゆる全身疾患と歯周病の関連性が近年の研究により指摘され始めています。

歯周病との関連を挙げられているものには呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病や妊娠などがありますが、
なかでも糖尿病との関連は深く糖尿病は歯周病を悪化させる大きな原因のひとつでもあるのです。

Q.他の病気が原因で歯周病になることがあるのでしょうか。

A. あります。遺伝性の病気、血液の病気(白血病など)、
皮膚の病気、降圧剤を含めた特定の薬によって歯肉を含めた歯の周囲組織に症状が出ることがあります。

またホルモンの分泌の増減、糖尿病、喫煙などによって歯周病が治癒しにくくなるといった事があります。

Q.歯周病が他の病気を引き起こすことがあるのでしょうか?

A. 重症の歯周病になり、口の中に歯周病を引き起こしている細菌が多くなると、
血液や呼吸器内に入り込み、心筋梗塞・動脈硬化症・肺炎・早産などを引き起こしやすくします。

嗜好品について

Q.(歯周病に)どうして煙草が悪いのですか?

A. 喫煙が悪い理由はいくつかあります。
喫煙する人は統計的に喫煙しない人よりも歯周病にかかりやすいというデータがあること。
タバコに含まれる化学物質が歯肉からの出血を抑えたり、歯肉を硬くすることで症状が気づきにくくなること。
喫煙者は末梢血への影響があるので、歯周病の治り方がわるくなること。
です。

つまり煙草は歯周病になりやすくするばかりでなく、気付き難くし、また治り難くする原因と言えるのです。

Q.お酒が好きですが、お酒は(歯周病に)悪いのですか?

A. お酒そのものが歯周病に悪い訳ではありませんが、多くの場合お酒を飲んだ後は歯を磨かずに寝てしまう、
又は歯磨きを疎かにしてしまう事が多い事から、歯周病を進行させる原因の一つと言えるかもしれません。

歯周病のかかりやすさ・原因について

Q.歯周病にかかりやすさはあるのでしょうか

A. あります。 大きく分けて口の中の状態と全身状態によります。
前者は歯並びや歯周病菌の種類や粘膜の形が影響しますし、
後者は生活習慣(喫煙など)やそれに関する病気(糖尿病など)、遺伝的影響など、
色々な要素が関わって歯周病にかかりやすくなるのです。

また、遺伝子診断、免疫応答・炎症反応の検査により歯周病にかかりやすい患者さんがいると報告されています。
特に通常は40歳前後に症状があらわれる歯周病が
10歳代後半からあらわれる早期発症型と呼ばれる歯周病がこれにあたります。

Q.歯周病のかかりやすさに男女差はありますか?

A. 妊娠されている女性は口腔内に分泌されるホルモンの影響で歯肉の炎症が起こりやすくなっています。

また閉経前後には歯肉の上皮が剥がれ落ちてしまうことによる
歯肉の炎症(慢性剥離性歯肉炎)が起こりやすくなる言われています。

Q.虫歯にかかりやすい食べ物はあるのですが、歯周病にかかりやすい食べ物はあるのでしょうか。

A. 歯周病の一番の原因は歯に付着するプラークです。
プラークを形成しやすい食べ物としては粘着性の高い食べ物があります。

また、糖分が高い食べ物もプラークを形成する細菌の活動を助ける原因となります。

Q.一生懸命歯ブラシをしても歯周病にかかってしまうのでしょうか

A. 歯周病を予防するには歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉の境など、かなり行き届いた歯磨きが必要です。
本人は充分磨けていると思っていても、実際には歯ブラシだけでは不充分な事がよくあります。

そのために、 歯科医師や歯科衛生士による各個人に合った歯ブラシと補助的な清掃用具(フロス・歯間ブラシ等)による歯磨き指導を受ける事をお奨めします。

Q.歯ぎしりが歯周病の原因になるのでしょうか。

A. 歯ぎしりが直接歯周病の原因となることはありません。
しかしながら、強い力が歯に加わることで、歯の根やその周囲の骨組織に負担をかけ、
骨を特定部分のみ吸収させたりします。

Q.噛み合わせが悪いと歯周病の原因になるのでしょうか。

A. 噛み合わせが悪いことにより、一部の歯に不自然な強い力が加わり、
歯ぎしりと同様に、歯周病の症状を悪化させる原因になる場合があります。

Q.口呼吸は(歯周病に)悪いのですか?

A. はい。口呼吸することにより口の中が乾きやすくなり、プラークが溜まりやすくなります。

また唾液による自浄作用がなくなることから口の中の細菌の活動性を高めるなど、悪影響があります。

遺伝・感染について

Q.歯周病は必ずかかる病気なのでしょうか

A. 歯周病は必ずかかるわけではありません。
歯周病の多くは、原因であるプラークや歯石を日頃の歯磨きや、
定期的な歯科検診などを受けることにより除去することで予防することができます。
予防できない歯周病もありますが、遺伝性の病気など、非常に特殊な場合です。

Q.歯周病は遺伝するのでしょうか

A. 歯周病そのものが遺伝するということはありません。
しかしながら、非常に少ない例ですが、遺伝性要因があるとされる歯肉の増殖特殊な歯周病があります。

また、近年、遺伝子診断により、本当に遺伝的になりやすい人、
なりにくい人がいるかどうか科学的に解明されつつあります。

Q.母親が歯周病にかかっていると子供にうつりますか?

A. 乳幼児のお口の中に、もともと居なかった種類の細菌が母親からうつることはありますが、
歯周病の原因は主にいくつもの細菌が集まってできたプラークです。
したがって歯磨きが行き届いていればお子様にうつることはありません。

その他

Q.歯ぐきが人よりも前に出て幅広いのですがそれが歯周病のかかりやすさに関係ありますか?

A. 歯ぐき(歯肉)が前に出ていると、乾燥しやすくなり、歯周病になりやすい条件となります。
また歯肉(歯ぐき)が幅広いから歯周病にかかりやすいということはありません。
むしろ幅広い歯肉は歯ブラシしやすくなると言えます。

Q.永久歯が出てくるときに歯ぐきが腫れたようになるのですが大丈夫でしょうか。

A. 永久歯が生えて来る時、既に生えている永久歯の反対側の歯肉やその周りに炎症が起こる事がよくあります。
腫れた状態が長く続くようでしたら、お近くの歯医者さんに相談される事をお奨めします。